腸は『感情のゴミ箱』のようなもの

私たちの腸は「第2の脳」と呼ばれるほど、心と深くつながっています。

苦手な人に合ったり、大事な会議が始まる前など、緊張したときにお腹がキュッと固くなるのを感じたことはありませんか?

逆に、うれしいときにお腹のあたりがふわっと温かくなったり…

実はあの感覚こそ、感情が腸に影響しているサインです。

心が揺れると、お腹も揺れる…

腸には「腸内神経系」という独自の神経ネットワークがあり、脳からの指令がなくても自律的に働くことができます。

けれど、脳と腸は「迷走神経」で常に連絡を取り合っていて、脳が感じ取った感情の変化やストレスを腸はダイレクトに感じ取ります。

だから、心が揺れるとお腹も揺れるのです。

心の状態はお腹に表れる

さまざまな感情は、お腹にこんな風に現れたりします。
たとえば…

腹圧が上がってお腹が張りやすくなります。

“怒り”そのものではなく、怒りの奥にある傷つきや悲しみ、無力感であることが多いようです。

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・「私ばっかり我慢してる」という不公平感や報われなさ
・「本当は認めてほしい」「助けてほしい」と思いながら言えない甘えたい気持ち
・「言っても無駄」「納得できないけど諦める」と抑えこむ恐れと諦め
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こうした感情を抑えて“平気なふり”を続けると、心の中に熱がこもり、体ではみぞおちや下腹がカチカチになり、ガスや便秘につながりやすくなります。

怒りを溜め込む人の腸は、まるで煮えたぎるお鍋のように内側でエネルギーが滞り、スムーズに流れなくなってしまうのです。

つまり、怒りを溜める人の腸は、「本当はわかってほしかった」「ちゃんと感じてほしかった」
そんな心の叫びを押し込めて固くなっているお腹なのです。

副交感神経の働きが弱まり、呼吸も浅くなって腸の動きが鈍くなります。

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・「わかってほしかったのに、わかってもらえなかった」という切なさ
・「本当は助けてほしかった」「そばにいてほしかった」という求める気持ち
・「強くいなきゃ」「泣いちゃいけない」と自分を抑える無理な平常心
・「どうしてわかってくれないの?」という理解されない悲しみ
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こうした感情は、心の奥で静かに沈んでいき、言葉にできないまま身体の中に閉じ込められます。

そして腸はその“抑えこんだ想い”を敏感に感じ取り、動きをゆるめてしまうことで反応します。

つまり、悲しみや寂しさを抱える人の腸は、「もう我慢しなくていいよ」「安心して泣いてもいいよ」と、
心の代わりに“やさしく止まって”しまうのです。

小腸や大腸の動きが不安定になり、下痢や便秘を繰り返すこともあります。

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・「もし失敗したらどうしよう」という恐れ
・「迷惑をかけたくない」「嫌われたくない」という気づかれない不安
・「大丈夫?」と聞かれても本当は大丈夫じゃないけれど言えない我慢
・「頑張らなきゃ」と自分を追い立てながら、心の奥では感じている疲れや寂しさ
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といった感情の波が大きいほど、腸もリズムを失いやすくなります。

これらの感情は、頭の中では整理できても、うまく言葉にできないまま体の中に溜まっていきます。

腸はその繊細な心の揺れを感じ取り、キュッと緊張したり、動きが不安定になることで反応します。

つまり、不安や心配を抱える人の腸は、「がんばりすぎないで」「安心したい」と静かに訴えているのです。

感情は無意識に溜め込まれている

やっかいなのは、こうした感情の多くが無意識のうちに抑え込まれているということ。

「言いたくても言えなかったこと」「本当は我慢していること」「わかってほしかった想い」――
それらはいつの間にか体の奥に沈み、腸に“滞り”として現れます

腸は『感情のゴミ箱』ともいわれます。

ため込んだ感情をデトックスできないままにしておくと、便秘やお腹の張りだけでなく、肩こりや冷え、むくみ、さらには眠りの浅さなどにも影響していきます。

反対に、腸がゆるむと心もゆるみます

腸のマッサージや腹式呼吸、温めケアなどで腸の緊張をほぐしていくと、

・悲しい気持ちに気づいて涙が溢れる方
・心のつかえがふっと軽くなる方
・無理していた自分に気づく方 など

言葉で表現できなかった思いを、腸が代わりに感じてくれているのです。

腸を整えることは、感情を整えることでもあります。

便秘やお腹のハリや冷えは、心のSOSかもしれません。

今日一日、どんな感情をお腹にため込んだのか――
やさしくお腹に手をあてて、聞いてみたり、「がんばったね」とやさしく撫でてあげたり。
そんな時間も大切にしてあげましょう。

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