東洋医学では、季節と身体の働きは深くつながっていると考えます。
その中でも冬は、生命力の源である「腎(じん)」が一番弱りやすい季節。
腎は女性の気になる”アンチエイジング”と大きく関わっており、腎が弱まると老化が早まる…と言われています。

東洋医学でいう「腎」は、西洋医学の“腎臓”だけを指すものではありません。
もっと広い意味で「成長・生殖・ホルモン・水分代謝・骨・耳・髪」など、身体の基盤を支える存在。
例えるなら、”身体のエネルギーのダム”のような存在です。
他のところが弱ると、腎がエネルギーを使って手助けしてくれますが、その分腎のエネルギーが減ってしまいます。
冬は、寒さで身体を守ろうとエネルギー消費が増えるうえ、水分代謝も滞りやすい季節。
さらに腎に負担がかかりやすく、いろいろなサインが出てきます。
特にこの冬の季節は、女性にとっては気になる「老化」がキーワード。
あなたはいくつ当てはまる?
☐ 白髪や抜け毛が増えた、髪が薄くなった
☐ ふらつきやすい、足がもつれやすい
☐ 腰や膝がだるい、重い
☐ 夜中にトイレに2回以上起きる
☐ 頻尿、尿漏れが気になる
☐ 顔色が黒ずんでいる、くすみが気になる
☐ 月経が遅れる、無月経
☐ 耳鳴りがする、耳が聞こえづらい
☐ やる気が出ない
☐ 漠然とした不安感がある
☐ 特に下半身が冷える
☐ すぐに疲れる
いくつ当てはまりましたか?
6個以上当てはまった方は要注意!
腎を整えるケアをしましょう。
これらは「老化だから仕方ない」と思われがちですが、腎のエネルギーを補うことで改善できるケースが多くあります。
冬にやっておきたい「腎」のセルフケア
① とにかく“温める”
腎は”冷えに弱い”臓器。
腎が冷えると、もちろん腸も冷えてしまい、動きが鈍くなってしまいます。

特に腰・お腹・足首を温めることで腎の働きがぐっと回復します。
- 腰にカイロ(仙骨の少し上あたり)を貼る
- シャワーで済ませず、しっかりお風呂に浸かる
- 足湯で冷えやすい足を温める
- 腹巻きをする(寝るときだけでも)
- 温野菜やスープなど、身体を温めるものを食べる
温めることで腸も動きやすくなり、朝のだるさやむくみが軽くなります。
朝起きて、冷えたお腹を温めるために白湯を飲むのもおすすめです。
② 黒い食材を意識する
腎を補う食材は「黒」をキーワードにすると選びやすいです。
- 黒ごま
- 黒豆
- 黒きくらげ
- ひじき
- 黒米
- くるみ
- 小豆
他にも、海藻類(昆布・わかめ・海苔・もずく)や、冬が旬の食べ物(白菜・ほうれん草・かぶ・大根・人参・ごぼう)、しいたけ・しめじ・えのき・切り干し大根・ナツメ・ドライフルーツなどもおすすめ。
特に冬はスープや味噌汁の出番が多いので、乾燥きくらげやわかめを常備しておくと簡単に腎対策ができます。
また、ご飯に黒ごまをふりかけて食べたり、黒豆茶で飲むのもおすすめです。
③ 早寝を心がける
冬は「溜める時期」。
遅くまで起きていると腎のエネルギーがどんどん減って、老化が進んでしまいます。

理想は23時までの就寝。
難しい方は「24時以降に起きていない日を週3日つくる」だけでも回復しやすくなります。
せっかく布団に入ってもスマホを見ていたら、ブルーライトで自律神経が乱れてしまい意味がありません。
スマホは別の部屋に置いて、ゆっくり呼吸をしたり、お腹をさすったりしてリラックスして寝るのがおすすめです。
また、ご飯に黒ごまをふりかけて食べたり、黒豆茶で飲むのもおすすめです。
④ 深い呼吸で“腎のエネルギー”をチャージ
腎は「恐れ」の感情とつながっていると考えられています。
呼吸が浅いと腎のエネルギーが消耗しやすく、疲れも取れません。
おすすめは、背中・腰がゆるむ深い腹式呼吸。
呼吸に意識を向けながら、瞑想してみるのもおすすめです。

1)お腹と腰に空気が広がるイメージで、鼻から4秒吸う
2)口からハーッと6〜8秒かけて細く長く吐く
これだけで交感神経の高ぶりが落ち着き、腎が休める状態に。
これから年末に向けて仕事も家庭もバタバタする時期に向かっていきます。
そんなときこそ、深い呼吸をして自律神経のバランスを整えていきましょう。
冬のケアが“見た目年齢”も変える
腎は、髪・骨・肌つや・ホルモンバランスを支える臓器。
冬に腎が弱ると、春の不調や老化のスピードに影響すると言われます。
逆にいえば、冬の腎ケアは「1年の若さを決める大事な土台」。
冷えを放置せず、腰を温め、腎を補う食材をプラスし、ゆっくり眠る。
難しいことよりも、小さな積み重ねが一番効きます。
腎が整うと、体の芯があたたまり、疲れにくく、気持ちも前向きに。
腎は“身体の深部のあたたかさ”をつくるはたらきがあります。
腎が弱ると、身体の芯が冷えて大腸の動き(蠕動運動)も低下します。
身体のためにも、腸のためにも、若さを保つためにも、腎をケアしてみませんか?
冬を「老ける季節」ではなく、「若さを仕込む季節」にしていきましょう。

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